今回の全米オープン女子決勝は10代対決となった。
予選上がりのエマ ラドゥカヌ 18歳 対 レイラ フェルナンデス 19歳。
シード勢を倒しまくっての22年ぶりの10代の二人が決勝を戦った。
第3シードの大坂なおみ、第16シードのケルバー、第5シードのスビトリナ、第2シードのサバレンカを全てフルセットで倒してきた。
試合中に19歳になったフェルナンデスは10代とは思えない精神力と冷静さ、観客を味方にする術を持っていた。もちろん安定したショット力に体力、さらに相手に打ち込まれても守りが堅いので最初は決まっていたショットが深々と返され始め、3セットの間に深みに嵌り始め、名だたる選手が崩れて破れていった。
最初の餌食?が大坂なおみだったので驚きだった。試合内容は堂々としたもので、ベースラインで打ち込んでいく大坂相手にアングルショットとドロップショットを巧みに使って翻弄していた。
恐るべし10代が出てきたなぁと、どれだけ追い詰められても返し続けて最後には相手を追い詰めていくこの19歳。
方やラドゥカヌはほぼダイジェストで見ただけで、予選からセットを落とさず勝ち進んでいる18歳との評判。
予選を勝ち上がり第1シードのバーティを破ったロジャース、東京オリンピック金メダリストのベンチッチ、第4シードのプリスコバに勝ったサッカリまでセットを一つも落とさずに勝ち上がってきた。
史上初の予選上がりのイギリスの選手。
とはいえ決勝は今までの試合と違って緊張したりで大舞台の経験が少ない選手は自分の力を
出すまでに時間がかかってしまって残念な試合になることがある。さらに今まで対戦相手が格上の場合、下位選手はポテンシャルを引き上げられての試合になることがあるので今回は下位選手同士、この二人の試合内容はどんなものになるのかと期待半分、やはりねって思う事半分。
私としては、同じサウスポーとフェルナンデスは試合中調子が上がってくるととても楽しんでると言わんばかりの笑顔で観客の心を掴んでいくのを見てついつい応援したくなる。
まぁ観客を巻き込む感じは若いのに策士かなぁと思ってしまうが...
さて試合はというと、開始最初のポイントから激戦でまさかのライジング同士の打ち合いが始まった。
若い可愛い女の子達がこんなハードなしかもレベルの高い試合を繰り広げるなんて...
予想は外れまくって面白い、というより凄すぎた。
凡ミスも少ない。ガチンコ対決。ジュニア時代も戦っているので負けられない気持ちが出ていたが、二人ともが冷静で見ていてドキドキハラハラ、怪我しないでねぇ〜と思ってしまうほど激しい。
よくここまで動けるなぁ、しかも2人ともテーピングなどもなく終始体力精神力落ちたなとも感じさせず、観客引き込んでの試合内容。
本当に10代なのか?何回言ってる私 (笑)
男子の試合では観客がざわざわと声が上がったりとか聞こえてたがこの女子の試合はウィンブルドンの様にシーンとしていた。それほど2人の試合は凄かった。
ライジング同士なのにミスが少なく守りも堅くギリギリでもボールを返してコートに入れる精度の高さ深さが素晴らしい。二人とも大好きなプレー内容だった❤️
フェルナンデスがこんな攻撃できる選手なんだとまた驚きだったり、どこからでも叩き込むラドゥカヌのショット。少しずつ押されいくフェルナンデス。
2セット目の後半もしかしたらここからフェルナンデスワールド始まるかと思わせる時もあったが結局ラドゥカヌがセット落とさずで優勝した。
攻撃力ではラドゥカヌが優っていた。守りも凄かったけどね。
二人の表彰式のスピーチも大人で最後まで凄い10代だった。
女子は男子と違って誰もが勝ち上がりやすい分、初優勝で後は維持できない選手も少なくない。それで言えばセレナはやはりレジェンドだ。
この二人が来年以降女子テニスを引っ張っていくことになるのか、とても楽しみだ。
取り巻く環境が大きく変わるだろうから、周りもしっかり守ってほしい。
まぁ2人なら大丈夫だろう。
Copyright 2021 Yasuko Fujisawa
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